喜ばざる状況だから修理後には喜んで頂きたい。
繊細な感覚とテクニックでスペシャリストが対応します。
実際の修理の事例です。
[ニッサン GT-R 全塗装]
平成11年式 NISSAN GT-R(BNR34)
ボディーカラー:ワンガンブルー (RCB/3CP)
車体整備修理事例[ 日産GT-Rその② ]からの続き。
(初めから読む場合は車体整備事例[ 日産GT-Rその① ]から)
塗装ブース『 SAIMA(サイマ) 』の中に移動して塗装屋泣かせの「ワンガンブルー」
を塗装していきます。
「ワンガンブルー」は3コート塗装。
青いベース塗料で染めて(①)、ちょっと特殊な顔料とパールを入れた青く透き通った
塗料を薄く何度も塗り重ねて(②)、最後にクリアーを塗装(③)します。
一般的に車の塗装屋さんは、先に塗装した塗膜層が乾燥する前に次の塗装膜を塗り重ねる
「ウエットオンウエット」と呼ばれる工法で塗装をするのですが、この「ワンガン
ブルー」も同じ工法で塗装します。
「ワンガンブルー」の特徴はベースの後の青い透き通った塗料を塗り重ねることで塗装の
深みや独特の表情を生み出します。大昔?に流行った「キャンデー」塗装ですね。
この塗装の大変なところは、塗装の最中に塗膜にゴミやほこり、小さな虫なんかを付着
させてはいけないことや塗装が垂れてはいけないことで、塗装と塗装の間にしっかり
チェックしながら塗装を続けなければいけないためフラッシュオフタイムと呼ばれる
塗装と塗装の間の乾燥中も塗装ブースから離れることができません・・・
そこで二人体制で塗装にあたり、初めから終わりまで塗装を塗り重ねた回数は13回・・・
塗装課全体のスケジュールの関係で塗装期間は日をまたぎましたが、この全塗装に
有した時間は二人合わせて8時間以上掛かりました・・・
塗装を終えた二人は塗装前に比べてちょっと老けていました。
恐るべし「ワンガンブルー」
「車体①」
「車体②」
「パーツ①」
「パーツ②」
塗装した部品を車体に取り付けて最後に足回り整備。
四輪トータルアライメントテスタ『 JohnBeanV3DE 』によりしっかり点検と調整。
Before After
「ワンガンブルー」が眩しいですね!
今回の修理で必要だった部品はほぼ全てをオーナー様にご用意いただけました。
海外でこちらの車が大人気だったり、国内で部品の生産が終わっていたりと
今回の修理は当店だけの力ではとても完成まで辿り着けなかったかと思います。
オーナー様には何度も当店に足を運んでいただき、当店の修理に関わる全ての
担当者と幾度となく対話していただきながら車を創り上げていく感覚は技術者に
とって遣り甲斐があり素晴らし経験ができました。
本当に有難う御座いました。
担当者 フロント/水上・鈑金/薬師寺・塗装/椎野、相原・整備/遠藤