喜ばざる状況だから修理後には喜んで頂きたい。
繊細な感覚とテクニックでスペシャリストが対応します。
実際の修理の事例です。
[ ホンダ S2000 コンバーチブル 右側面修理事例 ]
平成18年式 HONDA S2000(AP2)
ボディーカラー:ニューインディイエローパール(Y65P/3CP)
側面衝突事故による右側面の損傷です。
大切に乗っていた愛車が不慮の事故により悲しい姿に・・・
写真では分かりにくいですが、フロントフェンダーから損傷がはじまっています。
フロントドア全体にも大きな凹み。
フロントドアを開けてみるとリヤフェンダの内側にも大きな変形が確認できます。
こちらの車体はコンバーチブルタイプのため、ルーフ(屋根)部で強度を高めたり衝撃を受け流したりする事ができないので、ルーフ以外の部位に様々な工夫が施されています。
では、早速車体整備の開始。
まずは分解から。
コンバーチブルの脱着・・・しんどい・・・
ボルトで留められている外板パネルを取り外し終わりました。
次にフロントドアを取りつけてから・・・
今回は、大きく変形したリヤフェンダは取り替えますが、その前に新しくしたフロントドアの形を基準としてアライニング(粗出し)作業を施工します。
この作業は非常に重要で、これをする事で外側のリヤフェンダパネルの内側に抱き合わせるように溶接されているインサイドパネルに及んだ変形を同時に修復しています。
インサイドパネルのような普段は見えない部品は車体強度を高め、搭乗者を守る非常に大きな役割をもった部品で、これらの部位をしっかり修理することで『美観』だけではなく『機能と構造』『強度と耐久性』『安全性』を回復させます。
アライニング作業が上手にいったところで、リヤフェンダを切り外します。
インサイドパネル(グレーの部位)全体に及んでいた変形はアライニングより修復できているので、リヤフェンダとを溶着させる部位を丁寧に鈑金して形を整えていきます。
リヤフェンダを溶着した後、フロントフェンダとフロントドアを取りつけて「借り合わせ」して「立て付け」を確認します。
キレイにチリも合っていますね 😆
次に内側の塗装作業。
フロントフェンダとフロントドアを取り外してからインナー塗装。
次にリヤフェンダのインナー塗装。
1色目。防錆塗装。こちらの車体のインナー色に合わせて塗装。
2色目。車体色を塗装。
新車製造ラインのスプレーマシーンが塗装したように見えないところもそれっぽく塗装。
次にフロントドアやトランクリッドを開けた時に見える部位の塗装。
パネルとパネルの間に「シーリング(防水)」処理を施してから塗装します。
サイドシルに飛び石による傷から塗膜を守ったり、消音の役割をする「チッピングコート」を外板塗装前に施工します。
いよいよ 『塗装ブース』 で外板塗装を施工していきます。
黄色や赤に代表される色は「低隠ぺい性」と呼ばれ、色が透けてしまう特徴があります。
塗料の材質やメーカーによってもその染まり具合は違いますが、今回は黄色の下に白色の塗装をします。
全体/フロントフェンダ
フロントドア/リヤフェンダ
スポーツカーっぽい良い発色具合 😆
この車体色の「ニューインディイエローパール」は3コートパール・・・
塗装エンジニア泣かせの難しい色が次から次へと販売されています。
実はオーナー様から以前修理したフロントフェンダがオリジナルのボンネットと色が違うので、今回その違いを無くして欲しいとのご要望がありました。
それだけ難しいんです・・・
全国の塗装エンジニアの皆様は大変な苦労をしてるんじゃないかな?
最後にインサイドパネルの修正に剥がれたホイールハウスに「アンダーコート」を塗装。
修理した事が分かり難くなる様に左側もサービスにより「アンダーコート」塗装。
コンバーチブルの取り付けに苦労しつつその他の部品を組み付けてから念の為に 『四輪トータルライメント』 測定。
今回交換した部品。
で、完成。
いつもの、Before After。
ボンネットとフェンダ左右差も無さそうですね 😆
最近少なくなったスポーツカーですが、やっぱりかっこいいですね 😆
ニューインディイエローパールが青空によく映えます。
キレイになった愛車で色々なところにお出かけして、事故で負った心の傷も早く癒えますように。
今回の修理代は 技術料256,950円 部品・材料代192,650円 合計449,600円(税別)。
整備期間は11日間 でした。
担当者 フロント/山田・鈑金or整備/薬師寺/・塗装/椎野、相原、高買